こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、池上本門寺の門前町で七福神めぐり!「池上七福神めぐり」です。
■池上七福神めぐり
「七福神めぐり」。
七福神が祀られている寺社をめぐって、そのご加護を受け、福を授かろうというものです。
江戸時代に広まった風習と言われ、東京だけでも多くの七福神めぐりがあります。
今回訪れたのは、東京都大田区にある池上の街。日蓮宗の大本山・池上本門寺のある門前町です。
その池上の地元有志らが1981年(昭和56年)、日蓮聖人七百年遠忌を記念して創設したのが、「池上七福神めぐり」です。
さすがは門前町、参拝するのはすべてお寺です。門前町の景色を楽しみながら、歴史ある寺院をめぐります。
なお、多くの七福神巡りと同様、池上七福神めぐりも元旦から7日まで開催。その期間、七福神がご開帳されますが、御朱印めぐりなら通年行えます。
…ということで、春の陽気に誘われて今日は、池上に出かけましょう。願うのは病魔退散と普通の毎日が戻ること。今日は、そんな思いを込めた「池上七福神めぐり」の模様をレポートします。
■雑司が谷七福神めぐりコース
「池上七福神めぐり」は、東京都大田区の池上エリアにある寺院をめぐる約3㎞のコースです。
所要時間は約2時間。距離はさほどではないですが、妙見堂は長い石段を登った山の上にあるので健脚が求められます。
池上七福神めぐりで参拝する寺院と祀っている七福神は次のとおりです。
すべてお寺をめぐる七福神めぐりです。なお、2020年2月から、大黒天を祀る場所が馬頭観音堂から久が原・本光寺へと変更になりました。
寺社 | 七福神 | 住所 |
---|---|---|
曹禅寺 | 布袋尊 | 大田区池上7-22-10 |
微妙庵 | 毘沙門天 | 大田区池上3-38-23 |
本光寺 | 大黒天 | 大田区久が原2-19-17 |
厳定院 | 弁財天 | 大田区池上2-10-12 |
本成院 | 福禄寿 | 大田区池上1-35-3 |
妙見堂 | 樹老人 | 大田区池上1-31-11 |
養源寺 | 恵比寿天 | 大田区池上1-31-1 |
順番は特に決められていないので、好きなところから巡ることができます。
今回は、池上駅を降りてぐるりと時計回り。この表の上から順に、曹禅寺から養源寺へめぐるルートで7つの寺院をめぐります。
■曹禅寺(布袋尊)
池上駅から南に歩いて数分。曹禅寺は、1939年(昭和14年)に創建された曹洞宗の寺院です。
本堂前には、江戸時代創建の京都三条大橋に使われていた欄干橋柱がありました。縁あって著名な庭師から寄贈されたものだとか。境内の石庭も立派です。
「布袋尊」は、本堂に向かって左手の小さな祠に安置されていました。
■微妙庵(毘沙門天)
「毘沙門天」をお祀りしているのが、微妙庵(みみょうあん)です。
ここは、池上本門寺の境内外にある講堂の一つ。本堂に、品川の海から出現したとされる毘沙門天が鎮座しています。
本堂左側には、馬頭観音が祀られていました。通称、イボとり観音。都内ではここだけなのだそうです。
■本光寺(大黒天)
「大黒天」をお祀りしているのが、本光寺です。
本堂西側の七面堂に、江戸元禄期に紀州徳川家から寄進された七面天女像が安置されています。
七面天女は法華信仰の守護神として崇められ、ここは「久が原の七面天」と呼ばれ多くの信仰を集めました。
大黒天は、その七面堂の前の小さな祠に祀られています。
■厳定院(弁財天)
「弁財天」をお祀りしているのが、厳定院(ごんじょういん)です。
1289年開創の日蓮宗の寺院。1536年に成就坊と合併して現在地に堂を構えたと伝えられています。
弁財天は、その成就坊の境内にあったものを遷し、いまは本堂前の石造りの弁天宮に安置されています。
■本成院(福禄寿)
「福禄寿」をお祀りしているのが、本成院(ほんじょういん)です。
1282年開創の日蓮宗の寺院。はじめは北の坊または喜多院と呼ばれていましたが、廃坊となった本成坊と合併。享保年間に現在地へ移転して「本成院」と称するようになったと言われています。
福禄寿は、本堂内に安置されています。その姿はガラス越しにうかがい見ることができます。
■妙見堂(樹老人)
「樹老人」をお祀りしているのが、妙見堂(みょうけんどう)です。
妙見菩薩立像(非公開)を奉安するお堂です。この像は、徳川家康の子・頼宜の現世安穏後世善処を祈念して、その妻・瑶林院が池上本門寺に寄進したもの。
「樹老人」を安置する祠は、そのお堂の境内にあります。
■養源寺(恵比寿天)
「恵比寿天」をお祀りしているのが、養源寺(ようげんじ)です。
1648年開創の日蓮宗の寺院です。享保年間に2度、徳川8代将軍吉宗が鷹狩りの際に御膳所としました。
その名残りなのか(?)、境内すぐ脇にcafeがあります。ご住職の娘夫婦が切り盛りなさっているそうです。
以上で池上七福神めぐりは終了。門前町ならではの趣ある寺院をめぐる町歩きでした。
ただ、池上に来たらもちろん、ここを訪れないとマズいよね…。そうです。「池上本門寺」です。
…ということで、池上のシンボル・池上本門寺にちょっと寄り道しましょう。
これが丁度いいことに、七福神めぐりのルート沿いにあるんです。「本成院」から「妙見堂」に向かう途中で、池上本門寺を参拝することができます。
池上本門寺は、日蓮宗の大本山。1282年、日蓮上人が生涯最後の20数日間を過ごした場所です。
日蓮が没すると、当地の池上氏は法華経の字数(69,384)に合わせて69,384坪を寺領として寄進して、寺院の基礎が築かれました。
以来、池上本門寺は「日蓮上人ご入滅の霊場」として、多くの人々から信仰を集めています。
その本門寺の広い境内に高くそびえ立つのが、「五重塔」です。
高さ31.8メートル。関東に4基現存する幕末以前の五重塔のうち最も古い塔で、空襲による焼失をまぬがれた貴重な古建築です。
2代将軍・徳川秀忠の病気平癒を祈願した乳母の岡部局の発願によって1608年に建立され、後に現在の位置へ移築されました。壮観ですね!
門前町の寺院をめぐる「池上七福神めぐり」。
せっかく池上の街に来たのなら、池上本門寺も参拝するのがおススメです。
ここでももちろん、病魔退散と普通の毎日が戻ることを祈願しました。
ありがとう、池上七福神めぐり! ありがとう、池上本門寺!
【雑司が谷七福神めぐりマップ】
亀戸七福神めぐり(「夢中図書館」作成)